筆録帳

一月三一日

【養生】

養生法の基本

消化力を邪魔しない

 

貝原益軒「養生訓」より一節

 

飲食は飢渇やめんためなれば、飢渇だにやみなば其上にむさぼらず、
ほしいままにすべからず。飲食の欲を恣にする人は義理をわする。

 

是を口腹の人と云いいやしむべし。

 

訳:飲食というのは飢えや渇きを抑えるためのもので、これらが収まったならばそれ以上に暴飲暴食をしてはいけない。
食欲のままに飲食する者は人間としての義理を忘れる。
これを口腹の人 つまり口とお腹だけでできていて理性のない人と言っていやしむべきである。

 

キャパシティを越えて積もる未消化のそれは、
ある程度に達したとき好ましくない現象として表れます。
たとえば風邪なんかにきっかけをもらえば発熱を以て終わりですが、
見慣れた、聞き慣れた言葉「腹八分目」を心がけることは、
実はなにごとにおいても八分目で満足を覚える練習なのかもしれません。

 

恣(ほしいまま)に要求せず、消化が追いつかないほどに与えず、かといって不足させず 
心身のセルフケアの範囲を越えて人間関係にも当てはまるのかもしれません。
口は災いのもと 出てくる言葉だけでなく、入れるものにも目を向ける必要があります。

 

そして消化の過程の中で意識できることって咀嚼だけですよね。
飲み込んだら最後、自身の消化力に委ねるしかないのです。

 

よく噛まないで消化できず、下痢や便秘として排泄するしかなかったり、
目の前の事象に対して受け止めきれず、不安や愚痴が口をついて出るなら、
共通してどちらも消化力が落ちているでしょうし、これらは相関します。

 

私たちに本来備わっている消化力を邪魔しないことです。
お家のわんちゃんねこちゃんだって 調子が悪いと食べずにゆっくり休んでいませんか?
すこやか という言葉は、すく という音から派生しているようですよ。
空く、梳く、漉く、鋤く、好く

 

ものの通りを良くして作用を響かせやすくする行為です。
余白をもつということで、すこやかに繋げたいところです。

 

からだの声、聞いていきましょうね。